地球の鼓動に耳をすませば
-東海大学新聞連載コラムｰ

(45)地球を実感してますか？

佐藤 実
東海大学理学部
基礎教育研究室講師

　地球は丸い。常識ですね。では、地球がほぼ球形であることは、どうしたらわかるでしょう？水平線が湾曲して見えるから、ですか？沖へ向かう船が下から見えなくなるから？　宇宙から見ると球だから……。二千年以上も前に、地球が球形だと考えて半径を測った人がいました。エラトステネスという人です。もちろん宇宙から見たわけはありません。遠く離れた二地点の地面にそれぞれ棒を垂直に立
て、影を見較べて測ったそうです。でも、どのようにして同時に離れた場所の影を見ることができたのでしょう？片方の地点として、夏至の正午に太陽が真上に来る場所を選んだのです。そのときは棒の影がなくなるので、見る必要がありません。こうして測られた地 球の半径は、現在知られている値より15パーセントほど小さいだけという、驚異的な精度でした。現代の地球は、インターネットで覆われています。遠く離れた場所の映像も、気軽に見ることができます。そこで、遠隔地の映像を同時に観察することで地球を実感して頂こうという教育プログラム、グローブダイヤルプロジェクトを立ち上げました。観測装置を北海道東海大学札幌校舎、東海大学湘南校舎、沖縄地域研究センターの三カ所に設置し、準備を進めています。地球という星を少しでも実感して頂ければ、と思っています。

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東海大学新聞掲載日 2005年5月20日

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Update:　2005.5.20　　E-mail: