地球の鼓動に耳をすませば

-東海大学新聞連載コラムー


(3)太陽紫外線UV-Bの季節変動

佐々木政子
海大学総合科学技術研究所教授
光科学研究部門

 地球から一億四千万`bの彼方にある太陽では、水素の核融合反応で絶えず莫大なエネルギーが生成・放出されています。生成されたエネルギーの二十二億分の一が約八分後に地球に届きます。これが地球の大気圏、水圏、陸圏の営みのエネルギー源であり、その変動は私たちの生活に大きな影響を与えます。このため、太陽活動の監視はとても重要です。総合科学技術研究所光科学研究部門(湘南校舎)では、太陽放射に含まれる紫外線、可視光と赤外線を五分毎の瞬時値と平均値として、毎日連続観測しています。今回は、UV-Bという紫外線の季節変動についてご紹介します。
 UV-B
は皮膚発ガンや白内障の主因といわれています。図は湘南校舎で測定したUV-B放射量の季節変動を一九九〇年から二〇〇〇年までの十年間の月平均値で示したものです。UV-Bは五月から急激に強くなり始め、
最大になるのは八月です。八月には、日中UV-Bは二h/平方b強にもなり、殆どの日本人が約二十分で日焼けを起こします。水ぶくれを伴うような日焼けの繰り返しは、皮膚発ガンの元です。水辺では反射光カットにも注意が必要です。真夏の日中は気温も高く、直射日光下の作業は激しく体力を消耗します。真夏の戸外作業、運動は涼しい早朝か夕方にしたいものです。外出には帽子、衣服、サングラスなどの着用励行がお勧めです。

  http://www.tric.u-tokai.ac.jp/research2/jindex.htm

 

東海大学新聞掲載日

20010720

 

 禁無断掲載 C 学校法人東海大学新聞編集委員会

 

戻る


Update: 2001.7.24
E-mail: kcho@keyaki.cc.u-tokai.ac.jp