地球の鼓動に耳をすませば
-東海大学新聞連載コラムー

(37)東南海地震発生か?次は東海地震??

馬場久紀
東海大学総合科学技術研究所教授  
地球情報調査プロジェクト 地震観測研究グループ

 9月5日に紀伊半島南東沖で気象庁マグニチュード6.9及び7.4の地震が相次いで発生しました。これらの地震では、津波も観測されています。さらに9月7日8時29分には気象庁マグニチュード6.4の最大余震が発生しました。地震の震源位置は1944年東南海地震(M7.9)の震源域周辺の南海トラフ沿いであったため、今後発生が予想されている東南海地震との関連が懸念されました。しかしその後の解析結果では、地震は逆断層型で、フィリピン海プレート内部で発生した地震であると考えられ、プレート境界域で発生する大地震のタイプと異なっているので、直接関連性がないと考えられています。
 なぜ今回の地震が東南海地震との関連性についてこんなに懸念されたのでしょうか?この理由は、この周辺で大地震が発生すると、比較的短期間に連続して大地震が発生するという特徴があるためです。東海道、南海道の地域は過去約100年の周期でM8クラスの巨大地震が繰り返し発生し、震災と津波に襲われています。東南海・南海地震そして東海地震の切迫性が指摘されている現在、今回の一連の地震に、専門家が緊張させられたことは間違いありません。
 地震は繰り返し発生し、そして忘れた頃にやって来るものです。常日頃から防災意識を持ち、対策を行いたいものです。

気象庁発表の震源分布と東南海地震の想定震源位置図


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    地球情報調査プロジェクトHP:http://www.tric.u-tokai.ac.jp/rsite/r2/jindex.htm
東海大学新聞掲載日 20049月20
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Update: 2004.10.1  E-mail: kcho@keyaki.cc.u-tokai.ac.jp