地球の鼓動に耳をすませば
-東海大学新聞連載コラムー
佐々木 政子
東海大学総合科学技術研究所
教授
新入生を迎えキャンパスが一段と活気づく四月。太陽光も日ごとに強さを増します。今日は、太陽の役割について考えてみましょう。
太陽は地球に最も近い恒星で、直径は地球の約109倍もある発光する巨大球体です。太陽の内部は水素がヘリウムに変化する核融合反応で高温となり、表面近くで約6000度になります。このエネルギーの22億分の1が赤外線・可視光線・紫外線として地球に届けられます。地球に届いた太陽エネルギーは、大気と海洋水の循環をコントロールし、気候をつくり、地表に熱を分配しています。
植物も動物も赤外線のおかげで体内の循環系を保持し生命を維持します。石油や天然ガスなどの化石燃料も、水力も風力も、太陽エネルギーのお陰で生み出されているのです。可視光は、人間も含めた生物の食物連鎖の起点となる緑色植物の光合成を担い、体内時計を調節し、視覚を支える貴重な光源となっています。何かと敵視される紫外線も土壌の殺菌、動物のビタミンD合成に役立っています。また、野菜、果実、花弁などの色着き、なすの紫色、りんごの赤色も実は紫外線の色素合成反応の賜物なのです。
四季を通じて太陽光溢れる学園の各キャンパスで、太陽の恵みに感謝しつつ、皮膚癌になるような乱暴な日焼けは避け、健康な学生生活をエンジョイして欲しいものです。
太陽の構造 |
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東海大学新聞掲載日 2004年4月20日 |
禁無断掲載 C 学校法人東海大学新聞編集委員会 |
Update: 2004.4.22 E-mail: kcho@keyaki.cc.u-tokai.ac.jp