地球の鼓動に耳をすませば
-東海大学新聞連載コラムー


(2)神奈川県西部地震はいつ?

馬場久紀
海大学総合科学技術研究所助教授
地球情報調査室地震観測研究グループ

 近年、兵庫県南部地震を始め、鳥取地震・芸予地震等の被害地震が相次いでいます。私たちの住む日本では地震が多く、今後も地震は確実に起こります。湘南キャンパスのある神奈川県では、これから発生すると考えられている1つの地震が、ある局面を迎える時期に達します。この地域では神奈川県西部を震源とするM7クラスの地震が、過去に5回ありました。これらの地震の平均繰り返し年数は約七三年間で、この数値から統計的処理をすると、次回にM7クラスの地震が起こると予想される時期は、一九九八年四月から,前後三・一年となります。つまり今年の六月からは、この繰り返し平均年数を超えることになります。地震は,長期で見ると周期的に同じ地域で発生するので,神奈川県西部の地殻には,十分なエネルギーが蓄積されつつあることは意識しておく必要があります。
 地震による人的災害の多くは、地震が何の前ぶれもなく突然起こるためによると考えられます。前もって地震の発生を予測することができれば、こうした被害を最小限に抑えることができます。地震のエネルギーはすさまじく大きいので、時として観測機器にその前ぶれが計測されることがあります。我々の研究グループでは、地震の前駆的現象を捉える1つの試みとして、電磁波観測を実施しています。まだ実験段階ですが、観測状況は、下記のホームページで順次公開していく予定です。

   湘南キャンパス設置の電磁波センサ

地球情報調査プロジェクト:http://www.tric.u-tokai.ac.jp/research2/jindex.htm

東海大学新聞掲載日

20010620

 

 禁無断掲載 C 学校法人東海大学新聞編集委員会

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Update: 2001.6.26    E-mail: hbaba@keyaki.cc.u-tokai.ac.jp