地球の鼓動に耳をすませば
-東海大学新聞連載コラムー

(22)ひまわり衛星のピンチ

長 幸平
東海大学第二工学部情報システム学科教授

気象衛星ひまわりが今、ピンチなのです。現在のひまわりは5代目ですが、1995年に打上げられて以来、8年以上も観測を続けてきました。設計寿命が5年ですから、かなりの長寿なのですが、そろそろ機能が低下して来ました。下の画像を見ると、北極あたりが欠けています。センサの駆動系の問題で、現在は下の方が観測できないのです。また、画像に書いた長い横軸が赤道の位置です。地球が左に少し傾いているのが分かります。これは、観測時、衛星がふらついていることを意味しています。実は、ひまわりは燃料不足から、姿勢制御ができない状況になっています。
 ひまわりの後継機は今年の夏に打上げ予定です。それまで、ひまわりは持ちそうにありません。そこで、気象庁は待機中の米国の古い静止気象衛星GOES-9をピンチヒッターとして借りて来ることにしました。この衛星は位置を徐々に移動中で、現在の予定では5月中旬に、ひまわりに代わって観測を始める予定です。「助っ人外国人」の登場まで、ひまわりには、もう少し頑張ってもらいましょう。

 

 

 

 

 

 


 

2003412日のひまわりの画像

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東海大学新聞掲載日 200320
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Update: 2003.5.6  E-mail: kcho@keyaki.cc.u-tokai.ac.jp