地球の鼓動に耳をすませば
-東海大学新聞連載コラムー

(20)オホーツク海での海氷観測

中山雅茂
宇宙開発事業団
地球観測利用研究センター特別研究員

前々回の本コラムで紹介されたように昨年十二月に宇宙開発事業団が打ち上げたADEOS-2衛星(みどりU)には、高性能マイクロ波放射計AMSRが搭載されています。この観測データからは、南極や北極の海氷の広がりを調べることができ、地球温暖化の研究への貢献が期待されています。このデータの有用性を検証するため、この冬、オホーツク海で衛星、航空機、砕氷船による同時観測が行われています。私は2月9日現在、実際の海氷の厚さや構造を調べるため、北大等の研究者達と海上保安庁の巡視船「そうや」に乗船し、オホーツク海の流氷野を航海しながらこの原稿を書いています。
 
今回、そうやに衛星携帯電話を持ち込み、インターネットを利用して東海大学情報技術センターで処理された衛星画像を即日そうやで見て、観測や航海に利用しています。そうやは、流氷の海を航海することが可能な砕氷船で、毎年二月に流氷の分布を調査しながらオホーツク海の船舶の安全を見守っています。写真は、そうやからバスケットをクレーンで下ろし、海氷のサンプル採取や、厚さの測定などを行っているところです。衛星データの検証にはこうした海上や地上での地道な観測がとても重要なのです。この海氷上での調査を行っている時、上空ではNASAの航空機が海氷の同時観測を行っていました。この海氷観測にはNASAも協力しています

     ゴンドラでの海氷サンプル採取

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東海大学新聞掲載日 2003220
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Update: 2003.5.6  E-mail: kcho@keyaki.cc.u-tokai.ac.jp