地球の鼓動に耳をすませば
-東海大学新聞連載コラムー

(19)紫外線とウインタースポーツ

佐々木政子
東海大学総合科学技術研究所
教授

冬至を過ぎ、一年で最も寒い季節を迎えました。晴れの日の暖かい太陽光は私たちを和ませてくれます。しかし、この季節も紫外線には要注意です。
 冬季は、ウインタースポーツの季節です。スキー場やスケート場では快晴に恵まれることはまれです。寒く、曇っているから紫外線は大丈夫と思っていませんか?実は紫外線は雲に遮断されず、90%は雲を透過して地上に届きます。
 冬は夏よりも太陽高度が低くなります。人間の顔面に当たる紫外線量に着目すると、太陽が真上にある時より、ある程度太陽高度が低い所で紫外線量が最も多くなります。
 紫外線量は周辺環境にも大きく影響されます。地面からの反射率は、アスファルトの路面や芝では10%以下ですが、雪面では80%以上にもなります。雪面では直射光に加えて反射された紫外線を浴びることになり、真夏より日焼けすることもまれではありません。
 
冬の屋外レジャーでは、夏には考えられない反射光や散乱光が私たちを狙っています。帽子を被っても反射光や散乱光には役立ちません。眼にはゴーグル型のサングラスを、顔には日焼け止めクリームを塗るなどして、反射光と散乱光から眼や肌を防護して冬の屋外レジャーを楽しんで下さい。

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東海大学新聞掲載日

200320  

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Update: 2003.5.6  E-mail: kcho@keyaki.cc.u-tokai.ac.jp