地球の鼓動に耳をすませば
-東海大学新聞連載コラムー

(14)ひまわり画像のメカニズム

長 幸平
東海大学第二工学部

情報システム学科教授

 私たちに最も身近な衛星画像といえば、新聞やテレビで毎日お目にかかる気象衛星ひまわりの画像でしょう。今日は、このひまわりの画像のメカニズムについて少し紹介します。
 通常、私たちが見るひまわりの画像では、雲は昼も夜も白く見えます。なぜ、夜も雲が白く見えるのでしょう?実は、これらの画像は熱赤外センサで撮影されたもので、温度の違いを濃淡の違いで表しています。このため、昼も夜も、温度の低い雲は白く、雲に比べて温度の高い海や陸は黒く見えるというわけです。
 また、ひまわりはコマのように自転しながら地球を観測しています。一回の回転で地球の横方向1ライン分の観測を行い、次の回転で1つ下のラインの観測を行います。このように、順次、上(北)から下(南)へ1ラインずつ観測を行っていき、25分かけて左のような地球全体の画像を撮影します。つまり、この画像の北極付近の雲と南極付近の雲には観測時間に20分以上のずれがあるのです。
時にはこんな画像のメカニズムを考えながら天気予報番組を見てみてください。

 

 

 地球情報調査プロジェクトHP:http://www.tric.u-tokai.ac.jp/research2/jindex.htm

東海大学新聞掲載日

2002720  

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Update: 2002.7.20
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